『葬送のフリーレン』3巻の見どころ!
今巻の見どころは、ずばりこれ!
- フリーレン一行と魔族の対決が終結
- 強さと誇りと卑怯者
- 舞台は北側諸国へ
『葬送のフリーレン』概要
魔王を打ち倒した勇者ヒンメル一行は、王都へと凱旋する。誰もが望んでいた「平和な世界」が、50に一度のエーラ流星群と共に、幕を開けた。
勇者パーティーの魔法使いフリーレンは、人よりも遥かに長寿なエルフ族であり、10年間の魔王討伐の旅も、自らの人生の中では、ほんの一瞬のことだと言い、すぐに趣味である魔法収集の旅に出る。50年後のエーラ流星群の日の再開を約束して。
ー50年後、再び王都を訪れたフリーレンの前に現れたのは、年老いてしまったかつての勇者ヒンメル、僧侶ハイター、そして一見すると月日の経過を感じさせないドワーフ族の戦士アイゼンだった。かつての勇者一行は、最後の1週間限りの旅の果てにエーラ流星群を見る。
ほどなくして、勇者ヒンメルは死に、街中が悲しみに暮れ葬儀が行われる。
勇者の死をきっかけに、エルフのフリーレンは「もっと人を知る為」に生きていくことを決意し、「ヒンメルとの再会をさせてやりたい」というハイターとアイゼンの意をくみ、大陸の最北にあるとされる魂の眠る地「オレオール」を目指していくーー
『葬送のフリーレン』3巻 あらすじ・感想
週刊少年サンデー連載『葬送のフリーレン』著:山田鐘人・アベツカサ
『葬送のフリーレン』の単行本 / 各まとめ
以下、続刊
『葬送のフリーレン』3巻 あらすじ
生き残った魔王直下の大魔族:七崩賢、断頭台のアウラ達とフリーレン一行との戦いの続きと結末が描かれていきます。
魔族としての誇りや矜持を持つリュグナーVSフェルン、師匠の技を模倣するリーニエVSシュタルク、そして80年前の決戦では討つことができなかった断頭台のアウラとフリーレンの邂逅。
そして、部隊は北側諸国へと移っていきます。その中で、出会うエルフのモンク(武道僧)、小さな村で漫然と日々を過ごす僧侶との出会いは、フリーレン一行にどんな変化をもたらすのかーー
『葬送のフリーレン』3巻のCONTENTS
第18話 不死の軍勢
第19話 急襲
第20話 師匠の技
第21話 卑怯者
第22話 服従と天秤
第23話 勝利と弔い
第24話 エルフの願望
第25話 剣の里
第26話 戦士への贈り物
第27話 普通の村の僧侶
以下続刊
『葬送のフリーレン』3巻の感想
2巻では、「葬送のフリーレン」というタイトルの回収がありましたが、3巻ではフリーレン達と、断頭台のアウラ、その配下との戦いが描かれていきます。
魔族としての誇りや矜持を持つリュグナーVSフェルン、師匠の技を模倣するリーニエVSシュタルク、そして80年前の決戦では討つことができなかった断頭台のアウラVSフリーレン。
どの戦いも、決して消費されるだけの戦いでなく、魔族の誇りや矜持とフリーレンが選んだ卑怯な道、自分の力と相手の力の差を安易に受け止めてしまうシュタルクの心の弱さとその成長、魔法使いの矜持を説くリュグナーとフリーレンに育てられた新米魔法使いフェルンとの問答など、内容はとても濃いものでした。
そして、魔族達との戦いは終わり、部隊はよりエンデへと近づき、北側諸国へと移っていきます。
ゆるやかな絶滅へと向かうエルフ族との出会いでは、フリーレンとクラフトだけがもつ長寿故の寂しさや、人の記憶の儚さが描かれます。特に、死後の世界に関するハイターとフリーレンの過去回想が大好きで、読み返すたびに泣いてしまいます。
最後には、小さな村で自堕落に過ごす、天才僧侶との出会いがあり、これからの動向が気になる所で3巻は終わります。
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『葬送のフリーレン』3巻 考察(ネタバレ微含む)
ここからは少しだけ内容ネタバレが含まれます。
ネタバレが苦手な人は違う記事に移動するか、ブラウザバックをお願いします!
『葬送のフリーレン』3巻の伏線・考察ポイント
『葬送のフリーレン』3巻に出てきた伏線・考察ポイントはこちら!
- フリーレン一行と魔族の対決が終結
- 80年前の戦いでアウラを打ちもらした理由
- 強さと誇りと卑怯者
- フェルンはフリーレンを超える?
- エルフのモンク、クラフトは過去の英雄?
- 勇者の剣
- 小さな村の天才僧侶
『葬送のフリーレン』3巻の考察
ここからは今巻の内容から、今後を考察・予想していきたいと思います!
フリーレン一行と魔族の対決が終結
断頭台のアウラ達との戦いに勝利したフリーレン一行、それぞれの戦いについて細かく見ていきましょう。
リュグナーVSフェルン
まずは血を操る魔術「バルテーリエ」の使い手リュグナーと、フェルンの戦い。
この戦いでは、フェルンの成長やポテンシャルの高さを描くと共に、魔法使いの誇りと矜持、魔力というものについて描かれています。
リュグナーは魔族としての誇りと自信があり、フリーレン以外は脅威ではないと一目で判断しました。なので、奇襲を受けてしまうことになったし、奇襲を受けた後でさえもフェルンとシュタルクを侮ってしまいます。
魔族として研鑽を欠かさなかったリュグナーと、まだ若い人間の魔法使いであるフェルンには絶対的な魔力の差があります。それは間違っていませんが、魔力差によって脅威はないと断じた事、フェルンの魔力量を推し量り損ねたことは致命的なミスでした。
それこそが、フリーレンがフランメから教わり、フリーレンもまたフェルンに伝えている魔族を殺す為の魔法を愚弄した卑怯な道、その絶大な効果であもあります。
リーニエVSシュタルク
リーニエは魔力の観測が得意で、一度見た者の魔力の流れを模倣する魔法「エアファーゼン」で最強の戦士アイゼンの斧術を駆使しシュタルクを追い詰めます。
その模倣は直弟子であるシュタルクでさえ、一瞬で「勝てない」と思わせてしまうくらいなので、相当な再現度を誇るもののようでした。
しかし、シュタルクはアイゼンを模倣したリーニエに幾度となく攻撃されても、立ち上がり続けます。そうして何度も立ち上がる中で、アイゼンとの修行の日々やアイゼンの絶大な強さを想い出す中で、リーニエの魔法はあくまでも「模倣」でしかないことを体感し、一撃で倒してしまいます。
リーニエの敗因は自分の模倣魔法を過信し過ぎたことと、アイゼンの弟子をアイゼンの技で殺すという自己悦に思考が向ってしまったことも大きいのかなと思います。
アイゼンを模倣できたということは、勇者ヒンメルの戦いも見ていた可能性が高いですし、七崩賢であるアウラとの戦いに参加した戦士と言うのは誰もが、一級の戦士であったと思うので、魔法で武具も自在に具現できるリーニエなら、様々な戦士の動きを使って戦えば現時点でのシュタルクに勝つ方法は幾らでもあったのではないでしょうか。
アウラVSフリーレン
アウラは、自身の魂と対象者の魂とを天秤にかけ、より魔力の大きいものが相手を服従させ意のままに操る『アゼリユーゼ』という超強力な魔術を使います。
大魔族として長い年月を生き、その月日のほとんどを鍛錬につぎこんだアウラの魔力は絶大で、ほぼ無敵の魔法となっています。
アウラとフリーレンの80年ぶりの戦闘では、フリーレンの戦い方の変化、つまり心の持ちようの変化が描かれます。
アウラに従属させられた戦士への敬意などなく、敵として排除した80年前と、膨大な魔力を消費しながらも戦士を傷つけぬよう従属を解除していく現在のフリーレン。その変化にアウラも驚いているように見えました。
その心の変化を与えたのはやはり、ヒンメルであり、当時は実感もなかったようですが、「人を知る旅」に出た今のフリーレンだからこそ意味を理解し、戦い方という行動さえも変容させることができるようになったことで、フリーレンの成長がさらっとした描写の中でしっかりと描かれています。
リュグナーがフェルンの強さを誤認したように、アウラもまたフリーレンの強さや魔力量を誤認したことで、決定的な勝機をフリーレンは掴みます。
魔力の制限という、魔法使いの誇りや矜持に反した行為は、魔族を欺き殺す為にフランメ
80年前の戦いでアウラを打ちもらした理由
フリーレンは80年前にも、断頭台のアウラと首切り役人と戦っています。その時には、ヒンメル達勇者パーティーとして参戦していたにも関わらず、魔族を撤退させることこそ成功しましたが、アウラを打ちもらしています。
その理由はなんだったのでしょう?
可能性として大きいのは、フリーレンとアウラの一騎打ちというシチュエーションにならなかった、もしくは、フリーレンと対峙した時にはアウラが他の戦いで消耗していてリスクなしで(と思い込んで)『アゼリユーゼ』を使うことができなかったからかなと考えています。
フリーレンとアウラの一騎打ちというシチュエーションにならなかった
80年前の戦いの過去回想のコマの中で、ヒンメルがアウラに切りかかり左肩を切っている描写や、ハイターとアイゼンが不死の軍勢と対峙するシーン、そして不死の軍勢をなぎたおしてリュグナーに致命傷を負わせているフリーレンの描写がそれぞれ別の回想の中で描かれています。
この時の作戦としては、英傑の意志でアゼリユーゼに対抗できるヒンメルがアウラと戦い、実力者である魔法使いのリュグナーなど首切り役人をフリーレンが主に担当し、アイゼンとハイターが不死の軍勢の鎮静化に動いた形なのかなと思います。
フリーレンと対峙した時にはもうアウラが他の戦いで消耗していた?
アゼリユーゼの細かな説明はないので、魔法の使用中に何かリスクがあって、複数人と対峙する時には使わなかったのかもしれませんが、もし上記の作戦でいた場合にはアウラがフリーレンと対峙するには勇者ヒンメルを無力化するか、遠ざける必要がでてきますね。
もし仮に、遠ざけることができたとして、初撃で傷を負ってしまったアウラの消耗はかなりのものだと推察されるので、正体不明・長寿のエルフ族で、急に活躍しだした謎の魔法使い相手に、消耗した状態での魔力勝負に出ることはできなかったのだと思います。
80年後の戦いの勝因として、フリーレンは、アウラが自身の魔力の強大さを自負して、フリーレンの魔力を誤認して油断し”『アゼリユーゼ』を使わせることがきたから勝てる”と言っていたので、アウラが絶対的な自信を持つアゼリユーゼも、どれだけ慎重に使っていたかが分かります。
ですが、不死の軍勢の物量はすさまじいものですし、服従させられてしまっている戦士や騎士への敬意を払っていたヒンメル達では、アウラを追い詰めても不死の軍勢を無理やり突破することができず、やむなくアウラを逃したというのが80年前の戦いだったのかなと思っています。
魔法を愚弄する卑怯な行為
フリーレンの師事したフランメをして、表に出る魔力を制限し、魔法使いを欺くという行為は「魔法を愚弄した卑怯な行い」と言いました。
魔法というものは一生をかけて磨くものであるからこそ、日々の鍛錬や修練の成果であり、魔法使いとしての格たるものであり、魔族においては地位や権威にも匹敵するステータスというのが「葬送のフリーレン」という世界での魔法です。
だからこそ魔力を抑えるという行為は魔法(日々の鍛錬や研究)を自己否定する様な愚かな行為であって、決闘にも似た誇りをかけた魔法戦闘の場においては卑怯な行為とされるのですね。
フェルンはフリーレンを超える?
今回の戦いで、フェルンは初の魔族との一騎打ちを経験します。
フェルンの勝因は、リュグナーがフェルンを最後まで侮っていたことと、フェルンの魔法の特質にありました。魔力の絶対量や、技術で遥かに劣るフェルンがリュグナーを倒すほどのことですから、少し得意なんてものではないのだと推察できますね。
フェルンは魔法使いの中でも「速射」と「手数」が秀でているということが判明します。
こと速射に関しては師匠であるフリーレンよりも速いとフリーレン本人が言っていますし、誇りと矜持を説くほど魔術に真摯に向き合っていたリュグナーをして、急所の防御が厳しいと感じたほどなので、相当なレベルにあることが分かりますね。
フェルンの魔力量は?
フェルンの魔力量が正確に描写されたことはまだありません。リュグナーが観測した魔力は、フェルンが魔力を制御している状態で、それを見る限りでは本当に脆弱な魔力として描かれています。
フランメとフリーレンの回想の中では「魔力を1/10以下にまで制限できるようにする」という具体的な目標が提示されていましたね。
フリーレンもまたフェルンに「魔力を1/10以下にまで制限できる」ように教えていると思われます。それを素直に受け取れば、フェルンの魔力はあの描写の10倍程度ということになるので、ヒンメル達がフリーレンを勧誘した頃のハイターの域にはまだ到達していないかもしれません。
ですが、フランメの魔力制限の目標数値は、これまで魔力制限を日常的に行ってこなかった頃のフリーレンに初期に伝えたものなので、練度を上げていく中で数値が変化していてもおかしくありません。
リュグナー戦では、飛行魔法や防御魔法も併用しながら、ゾルトラークを相当数放っていたので、あの脆弱な描写の10倍の魔力量では済まないように感じます。
フリーレンや魔族には遠く及ばないとしても、あの描写の10倍以上~初期のハイターくらいの魔力力がありそうです。
いずれフェルンはフリーレンを倒せる程の魔法使いになる
現時点ではフリーレンに遠く及ばないフェルンですが、勇者一行のハイターとフリーレンがその才を認める程の魔法使いです。
魔力や魔法使いとしての練度は、何よりも研鑽した月日が大切なようなので、魔力量や、魔法使いとしての高みにおいて、人間であるフェルンが、1000年以上を生きているフリーレンに届くことは叶いません。
ですが、フリーレンよりも速射に優れ、ゾルトラークを「一般攻撃魔法」として扱えるフェルンであれば、その魔法の切っ先をフリーレンののど元にまで届かせるのは遠い話ではないように感じます。
エルフのモンク、クラフトは過去の大英雄?
デッケ地方の雪山辺りで吹雪に見舞われたフリーレン達が非難した小屋では、上裸筋トレゴリラ・・・エルフ族であり武道僧のクラフトと出会います。
シュタルクはクラフトを一目見て絶対的な強者と察しますが、その名前を聞いても思い当たる人物はいないと言い、クラフトは淋しそうな顔をします。
その後、フリーレンもクラフトを知らないと言い、80年前に魔王を倒した勇者一行のフリーレンをクラフトは知らないと言いました。
長く生きるエルフ族ですから立ち位置の変化や、心、行動の変化は人間の比ではないのでしょう。また、偉業を成したとしても、その偉業を伝える同族は少なく、人間は数世代で簡単に忘れ去ってしまうものです。
クラフトの淋しそうな表情は、「やはり誰もが忘れてしまったのだ」という感情を強く感じるもので、過去には人類の誰しもがといわずとも、多くの人類がその名を知り、憧れた大英雄だったのではいでしょうか?
勇者の剣
勇者の剣を守っていた剣の里では、ヒンメルと勇者の剣についての回想と、祠を守るフリーレン達の戦闘が描かれました。
ヒンメルは勇者の剣に選ばれておらず、偽物の勇者かもしれないけれど、魔王を打ち倒した本物の勇者であったとフリーレンが誇らしく言いました。
ネタバレも含まれますが、勇者の剣に関してはこちらのヒンメルのまとめ記事で、より深く考察しているので良ければチェックしてみてくださいね。
小さな村の天才僧侶
アルト森林の近くにある小さな村で、顎髭をたくわえた自堕落な僧侶ザインと出会います。
ザインによると、北側諸国にもなると魔物も強く狡猾になり、強力な状態異常をかけてくる魔物も居るそうです。そうした忠告があったものの、シュタルクは森で猛毒を有する蛇に噛まれてしまいました。
かつてハイターが居た、聖都から選ばれた優秀な僧侶である証「聖印」の所持者である村の僧侶には「手遅れ」と言われた、強力な毒を、ザインは一目見てシュタルクの肩をポンと叩きながら一瞬で解毒に成功してしまいます。
聖印を持つエキスパートが治らないと判断した毒を、一瞬で直してしまったザインの僧侶としての天性には、フリーレンも驚きを隠せないようでした。
ザインはかつて冒険者を目指していたようなので、ここからザインをパーティーに勧誘する流れになっていきそうです。
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予告PV:第1弾
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